久々にアルミ溶接の依頼がきたので記事にしたいと思います。
まず、アルミ溶接は難しいか?
私の感想は、「ちょっと慣れるまで時間がかかる」
鉄やステンレスのティグ溶接の経験者ならば、こんなところだろう。
では、なぜアルミ溶接は難しく感じるのか?
母材か溶けてくれない。
私が実際にアルミ溶接をやって一番最初に思ったのが、
アークを母材に飛ばしても、
母材が溶けてプール状になるまで待つのだが、
なかなか溶けてくれない。
溶けないからといって、
電流を上げても溶けてから直ぐ抜け落ちる危険がある。
では、どうすればスムーズに溶接できるかです。
それは余熱をします。
2㎜ぐらいの板までは、
初期電流と本電流をきちんと調整すれば必要ないと思います。
ちなみに2㎜の板でしたら、本電流60A~90Aぐらいだと思います。
3㎜を超えてくると、なかなか母材が溶けだしてくれません。(イライラします)
そこで余熱をしていきます。
カセットガスバーナーを使う。
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3㎜~4㎜ぐらいの母材でしたら、
カセットガスバーナーであぶれば溶接がスムーズにスタートできます。
しかし5㎜ぐらいの板になると、
いつまでも炙っているようになってしまうし、
時間が掛かりすぎてしまいます。
アセチレンガスバーナーを使う。
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一般的には無いかもしれませんが、
設備的にガス溶接のアセチレンガスなどお持ちでしたら、
早く母材に余熱することが可能です。
余熱をすることで母材が早く溶け、溶接スタートがスムーズに始められます。
アルミの母材が溶けにくく、
アルミ溶接を難しく感じるのは、予熱することで克服できると実感する。
アークが安定しない。
アルミを溶接する際には、
交流溶接が出来るティグ溶接機が必要なのですが、
このティグ交流溶接やってると、
まず音が違いますよね~
じ~じ~ビビビッとちょっとうるさく感じますよねぇ
音はいいのですが、アーク(母材を溶かす光)が、
あっちこっちに飛んで安定しないのです。
鉄やステンレスの直流溶接とは、全然違う感じで戸惑います。
ティグの交流溶接とはこんなものなので仕方がないのですが、
少しでも、やりやすくしたい思いから、
電極を、アルミ溶接に適している、純タングステンを使ってみる。
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溶接電極タングステンは適用に応じて、いろんな種類がありますが、
アルミ溶接をする場合、純タングステンを選んでください。
交流溶接は、溶接のとき電極の先が丸くなってしまいますが、
丸くなってからの、もち(長く使える)がいいです。
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シールドガス(アルゴンガス)をケチらず出す。
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シールドガスですが、多めに出す事をオススメします。
アルミ溶接で母材が酸化すると、溶接がやりずらいです。
ガスレンズまで使わなくても大丈夫ですが、
鉄やステンレスなどの溶接より多めが良いと思います。
アルミ板3㎜以上なら 、8ℓ~10ℓぐらいが良いです。
いろいろ練習して試してみる。
上達するには、とにかくたくさん、やってみる事いちばんです。
溶接工のプロの方が言っていました、
「溶接が上手くなるのと、どれだけ溶接棒を溶かしたかは比例する」
アルミ溶接も、
「たくさん溶接しないと上手くならないよ」
という事だと思います。
アルミ缶を溶接できるか試してみましたが、
最初はこのざまです。
何度か試してみて、電流などいろいろ調整すれば、
何とか溶接できるようになってきた感じです。
皆さんもいろいろ試して、たくさん溶接してみて下さい。